免許証を受け取ったら、ゴールではありません。最初の1年だけのルールと、知らないと大きく損をすることがいくつかあります。法律の数字は、警察や法令の公式ページで確かめたものだけを載せています。
教官をしていたころ、いちばんもったいないと感じていたのは、せっかく取った免許を、そのまま使わなくなる人が多いことでした。
取ってすぐの時期は、教習所で覚えたことがいちばん残っています。ここで少しでも運転しておくと、その後がずっと楽になります。逆に何年も空けると、ほとんど最初からになります。
そのために、まず知っておいてほしいことを5つにまとめました。
普通免許を取ってから1年間は、普通車を運転するときに初心者マークをつける決まりです(道路交通法 第71条の5)。
| いつまで | 取ってから通算1年になるまで |
|---|---|
| どこに | 前と後ろの両方に1枚ずつ 地面から40〜120cmの、見やすい位置 |
| つけないと | 初心運転者標識表示義務違反 反則金4,000円・1点(普通車) |
| バイク・原付 | 表示の決まりはありません |
Q. ペーパードライバーのままでも1年でつけなくてよくなる?
はい。数えるのは「免許を持っていた期間」なので、運転しなかった期間も1年に入ります。ただし免許停止になっていた期間は数えません。そのぶん延びます。
Q. 前だけ、後ろだけでもいい?
だめです。前と後ろの両方が決まりです。うっかり付け忘れた場合も違反になります。
初心者マークより知られていないのが、この決まりです。免許を取ってから1年間は「初心運転者期間」といって、この間に違反点数がたまると、講習や再試験を受けなければなりません。普通免許だけでなく、バイク・原付の免許も対象です。
1年のうちに違反点数の合計が3点以上になると対象です。ただし、1回の違反でいきなり3点になった場合だけは除かれます。ここは誤解が多いところです。
| 1年のうちに | 合計 | 講習 |
|---|---|---|
| 1点の違反を3回 | 3点 | 対象 |
| 1点 + 2点 | 3点 | 対象 |
| 3点の違反を1回だけ | 3点 | 対象外 |
| 3点の違反のあと、1点の違反 | 4点 | 対象 |
道路交通法施行令 第36条。警視庁・千葉県警の案内とも同じ内容です。
警察の公式な統計は公表されていません。一般に言われている目安です。
教官をしていたころ、実際に再試験を担当する試験官から、こんな話を聞いたことがあります。
「再試験を受けに来るのは、短い期間に何度も違反を重ねてきた人。だから、よほど安全な運転ができない限り、合格にはしない」
つまり再試験は、「もう一度チャンスをあげる試験」ではなく、「この人に運転を続けさせて大丈夫か」を厳しく見きわめる試験です。ほとんどの人が落ちるのは、そのためです。「受ければなんとかなる」とは考えないでください。
いちばん確実なのは、再試験まで行かないことです。最初の1年は、スピードを出しすぎない、一時停止はタイヤが止まるまで止まる、信号が黄色になったら無理に行かない。1点の違反でも「あと少しで講習」と思って、十分に気をつけて運転してください。もし講習の通知が届いたら、必ず期限内に受けてください。
免許を取ってすぐ、家の車を借りて練習する方は多いと思います。このとき必ず確認してほしいのが、親の自動車保険の「年齢条件」という決まりです。
自動車保険には、「何歳以上の人が運転したときに補償するか」を決めて、保険料を安くするしくみがあります。区分は保険会社によって違いますが、たとえば「21歳以上」「26歳以上」「35歳以上」などです。
親に頼んで、保険証券(または保険会社のマイページ)で次の2つを見てもらってください。
| ① 年齢条件 | あなたの年齢が入っているか 例:19歳なら「年齢を問わず」が必要 |
|---|---|
| ② 運転する人 | あなたが入っているか 「本人のみ」などは、子どもが入りません |
どちらかが合っていなくても、運転する前に保険会社や代理店に連絡すれば、すぐに変えてもらえます。
この記事は、特定の保険をすすめるものではありません。くわしくは、契約している保険会社・代理店に確認してください。
初めての免許の有効期限は、取得後3回目の誕生日から1か月たつ日までです。「3年」ちょうどではなく、取った時期によって約2年〜3年の幅があります。免許証の「○年○月○日まで有効」の欄で確かめてください。
更新できるのは、誕生日の前後1か月です。
| 緑 | 初めて免許を取った人 いまのあなたはこれ |
|---|---|
| 青 | 初めての更新をした人、など 無違反でも、最初の更新はゴールドにはなりません(免許歴5年以上が条件) |
| 金(ゴールド) | 免許歴5年以上で、無違反の人 |
| 引っ越した | すぐに住所変更の届け出が必要です(届け出は法律上の義務) 新しい住所の警察署や運転免許センターなどで。住所がわかる書類(住民票の写しなど)と免許証を持っていきます。手数料は無料のところが多いです |
|---|---|
| なくした | 住所のある都道府県の運転免許センターなどで再交付を受けます 写真・本人確認書類などが必要です。場所や手数料は都道府県で違います |
| 見つかった | 再交付のあとで古い免許証が出てきたら、返す決まりです |
受付時間や持ち物は、お住まいの都道府県警察のホームページで確認してから行くと、二度手間になりません。
なお、マイナンバーカードに免許の情報を入れる「マイナ免許証」も選べます(2025年3月から)。住所変更の手続きが市区町村だけで済むなどの違いがありますが、初回の更新ではオンライン講習は使えません。
学科試験で覚えた標識や優先のルールは、試験のためだけのものではありません。運転しない期間が長くなるほど、真っ先に抜けていくのがここです。
教習所塾のアプリは、試験が終わったあとも無料で使えます。久しぶりに運転する前に、5分だけ見直しておくと、ずいぶん落ち着いて走れます。